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中年オヤジの写真館です。

粟ヶ岳・阿波々神社と無間の鐘(遠州七不思議)

粟ヶ岳(あわがたけ、あわんたけ)別名無間山は、静岡県掛川市と島田市金谷に跨る標高532mの山です。山頂には阿波々神社があり遠州七不思議の1つ、無間の鐘の伝説があります。


【無間の鐘伝説】
聖武天皇の天平の頃(729~748年)のこと。小夜の中山の東、菊川村に一人の仙人が住んでいました。あるとき、不動明王を信仰して毎日お祈りをしていたこの仙人は、村の人々からお布施をあつめて、淡ヶ嶽(粟ヶ岳)の頂上に大きな釣鐘をつるしました。この淡ヶ嶽の釣鐘の音は、広く遠州に響きわたり、評判になりました。誰が言いだしたのか、一つつけば、事故や災難をまぬがれ、二つつけば、病気にならず、三つつけば、家内安全、四つつけば、運が開けて出世する、五つつけば、子宝に恵まれ、六つつけば、幸運がつづき、七つつけば、大金持ちになる、などというご利益が伝えられました。このうわさを聞いた村人たちは、我先にとこの寺へおしよせました。ところが、この山の道は険しく、みなが争って先を急ぐために、途中で谷底へ落ちてケガをしたり、死ぬ人まで、たくさん出てきました。この姿を見た寺の住職は、人々の欲の深さにあきれ、「この鐘をつくった仙人の願からはずれる・・・」と、鐘を井戸の底深く投げ込んでしまいます。それから後、この井戸を「無間の井戸」といい、今も粟ヶ岳の頂上に残っています。


山頂近くにはヒノキが『茶』の文字に植林されており、島田方面(JR東海道本線の大井川鉄橋や国道1号線など)や牧之原台地(国道473号)から見る事が出来ます。
001_栗ガ岳全景


粟ヶ岳の麓の案内板。山頂までは5キロの山道を上ります。
002_栗ガ岳5キロ看板


山麓は茶畑に開墾されているため、見晴らしが良く眺めは最高です!
003_峠の展望


山麓の茶畑を眺めると、前方には棚田のような茶畑もあり、開墾の苦労が想像されます。
004_茶畑


山道の途中にあった観音地蔵。山頂までは、あと2キロ。
005_地蔵観音&栗ガ岳2キロ看板


車のすれ違いも困難な山道ですが、所々にある待機場所で対向車をやり過ごして山頂に向かいます。
006_山道


山頂に向かう途中に見つけた木の幹には、キノコがびっしりと龍の鱗のように生えていました。
007_樹木キノコ


山頂に到着!山頂売店の展望台から眺めた風景は、遠くに遠州灘も見えました。
009_山頂展望


東南東に15km程の所にある静岡空港。時間が合えば離着陸する飛行機が見られるでしょう。
010_富士山静岡空港


駐車場脇にあった案内板。
008_山頂案内板


早速。無間の井戸がある阿波々神社に向かいました。
011_阿波々神社看板


山頂付近は粟ヶ岳固定局と呼ばれる無線施設群があり、静岡県内のテレビ・ラジオ放送局の送信所、また東西の中継局となっています。
012_放送塔


山頂にある阿波々神社は延喜式内社で、社伝では736年(天平8年)の創建といわれています。
現在は山頂に社殿が建立され、その手前斜面に磐座(いわくら)と呼ばれる巨岩群がありますが、現社地は1987年に遷座したもので、元々は磐座の下斜面に旧社地がありました。
013_阿波々神社


境内には八重垣神社・白羽神社・八王子神社の摂末社と遠州七不思議の無間の井戸があります。
014_無間の井戸看板


案内板の奥、神社本殿の後方に無間の井戸はありました。
015_無間の井戸


これが、無間の鐘を投げ込んだとされる無間の井戸です。
017_無間の井戸


井戸の大きさは直径30~40㎝ほどしかありません。投げ入れた鐘も小さなものだったのでしょうね!(^_^;)
018_無間の井戸


井戸の中はすでに埋められていて、深さなどは分かりませんが、今でも奥底に無間の鐘はあるのでしょうか?
019_無間の井戸


【無間の鐘にまつわる話】

1.蛭(ひる)になった荒石長者
粟ヶ岳のふもとの、小鮒川というところに、一人のお金持ちが住んでいました。この人は、ひどく欲深い人で、意地の悪いことをしてお金をためていたので、村の人たちは、「荒石長者」と呼んでいました。荒石長者は、無間の鐘のうわさを聞くと、無理しても粟ヶ嶽にのぼり、大きな音を出そうと、勢いよく鐘をつきかけました。すると足元がすべり、谷底へ落ちて、死んでしまいました。そして、地獄におちた荒石長者は恐ろしい蛭になってしまいました。これを見た住職は、「こんな悪い鐘なら、無いほうがいい」と、鐘を井戸に投げ込み、埋めてしまいました。それから後、この井戸を、無間山観音寺の無間の字をとって『無間の井戸』と呼ぶようになりました。


2.喧嘩のはて
むかし、この粟ヶ嶽の近くに、川井成信という殿様がいました。そして、その近くには、大沢兵庫という武士が住んでいました。ふたりは仲が悪く何かといえばケンカばかりしていました。ある日のこと、川井成信が、幕をはって山の上で花見の酒を呑んでいると、来合わせた大沢兵庫が『何だろう』と、幕の中を覗いて見ました。川井成信は、大沢とわかると「誰だ、覗くのはきっと乞食だろう。魚の骨でもくれてやれ。」と言ったので、大喧嘩になりました。大沢兵庫は、「おれが貧乏だから馬鹿にする。この無間の鐘をついて金持ちになってやるぞ」と、無間の鐘をつこうとして、ついに、山のお寺や松の木を焼いて、自分もまた、川井成信も焼け死んでしまいました。それから後、この無間の鐘は、悪い鐘だと言われるようになりました。


3.その他
江戸時代の書物では、滝沢馬琴『諸国里人談』『東海道細見記』『煙霞綺談』などでこの話が紹介されており、『東海道名所図絵』には炎に囲まれた阿波ヶ嶽(粟ヶ岳)が描かれています。安藤広重も無間の鐘を描いており、広く世間に知られていた話であることがうかがえます。


無間の井戸には多くの絵馬が掛っていました。やっぱりお金持ちにはなりたいものです。
020_無間の井戸


神社の南斜面は自然林が広がり、磐座(いわくら)と呼ばれる巨石群があり、ハイキングコースにもなっています。
032_ハイキングコース看板


磐座は古代に天(高天原)から神様がお降りになると考えられた神聖な場所だそうです。山頂に、このような巨石群があるのは不思議な光景でした。
033_磐座


磐座に囲まれて、八重垣神社跡がありました。
034_磐座看板


磐座群の中心部に地獄穴があります。無間地獄に落ちる場所で、岩の裂け目の奥は知る人ぞなしだそうです。この中に石などを投げ込んだり岩石の上に足を踏み入れたりなどすると神罰が当たると、境内各所に注意が書かれています。
035_地獄穴


自然林の中には神木と呼べるような巨木も生えています。
038_巨木


自然林の中にいると、巨石や枯木には神が宿っているように感じてくるのが不思議です。
039_枯木


神社に戻ると大勢の人が集まって何か作業をしています。
040_阿波々神社


信徒の人たちが、新年用のしめ縄の取替え作業をしていました。
041_阿波々神社


手前の古いしめ縄を参考に、奥で新しいしめ縄を編んでいました。
042_阿波々神社


新年を迎えて、拝殿には新しいしめ縄が飾られていることでしょう。
044_阿波々神社


再び、山頂展望台でしばらく休憩をして下山しました。
045_展望台


「無間の鐘」伝説の最後には、この鐘をつくと、現世ではお金持ちになって裕福に暮らせるけれど、死後、無間地獄におちて、絶え間ない責め苦にさいなまれるという話もあります。今が満ち足りていれば、後はかまわないという風潮は、現代だけのものではなかったのですね。そのため、それを戒めた伝説だったのかもしれません。


ご覧いただき、ありがとうございました。


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  1. 2010/01/12(火) 00:00:10|
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